Q & A

問いと答え

QUESTION
  • 092
  • 社会や世の中

伝統や文化を絶やさないようにするには何が必要ですか?

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ANSWER. 07

「絶対に守らなければならない伝統」というのは存在しません。色々な人達がいいなと思って参加し、応援した事、もしくはそれをする事に合理性や何らかの意味があって続いた事が、結果として伝統となる。  他者の好き、伝統を生かした工夫に対して暖かい目を向ける事、他者を尊重する姿勢が、結果として伝統を絶やさない事につながると、私は思います。  私は鴨川で、レース付きの白い可愛らしい着物を着て連れ立って歩いている娘さん達を時々見かけます。みんなとても可愛らしくて、楽しそうで、見ている私まで幸せな気分になります。昔、今風の白い着物について、否定的な意見をネットで見かけました。それを見た時、私は「西洋の文化に触れる事もあまりできなかった昔の人達の行動を絶対の正解として、今の人達の選択を否定するって、あまりにも視野が狭すぎる」と思いました。今では白地の可愛らしい着物は当たり前すぎて、そんな意見があったなんて、信じられないでしょうね。ウエディングドレスの様に特別な時、特別な1人だけで身に着けるわけじゃない、でも全くの日常じゃない。ちょっとした非日常で、わかってほしい人と、装いを似せながら、それぞれのちょっとした違いを楽しむというのは、とても日本的な伝統だと思います。伝統的な着物にも季節のお約束と、各人の違いを楽しむおしゃれがある。暑さ寒さに適応したふさわしさだけではなく、ある程度周りに合わせた上で、違いを楽しむのは一緒。そして、レース付きの白い着物で川べりを軽やかに歩く彼女達の多くも、きっと、成人式や卒業式では、場に合わせた、その中で自分が素敵だと思う着物を選ぶ。鴨川で見かける娘さん達の着物は白だけじゃなくて、色とりどりですが、みんな軽やかで、ちょっとした非日常を楽しんでいる様に見える。娘さん達がそんな格好をしようと思うのは多分、京都で非日常を楽しめる様に伝統を生かした工夫を重ねてくれている人達がいるから。着物はもちろん、街並みも、お店も食べ物も、言葉も。  伝統を魅力的に今に相応しい形でアレンジしながら、形にして行動している人達のことを、尊敬します。

更紗
50代 / 女性

ANSWER. 06

「伝統は革新の連続である」と京都の老舗企業の社長さんがお話しされていました。 つまり上手に革新が出来なければ伝統は途絶えてしまうのです。 特に私の従事する伝統産業(京都市には74種あるといわれています)は、ライフスタイルの変化や海外製品の流入などによって影響を受けてきました。 こうした中で私たちが提供するモノやサービスと、社会に求められるものの一致点を見極める力が必要だと思います。 加えて社会が求めたくなるような価値を提案することも、伝統産業側のつとめではないでしょうか。 地域の人々の視点に立つと、まずは自分たちの住んでいる街に誇るべき伝統や文化があることを知って欲しいと思います。 そして一歩外の世界に出たとき、また外の世界から京都へこられた方に、自分たちの素晴らしい伝統や文化のことをプライドを持って話してください。 こうして伝えていくことこそが、伝統や文化を後世に残し、さらに発展していく一助となると考えています。

Koh
伝統産業従事者 / 40代 / 男性

ANSWER. 05

リスペクトとリサーチ、そしてやってみる。
伝統や文化の多くは経済社会により著しく衰退、失われました。しかし、現代では経済社会すらも必ずしも信じられるものでは無くなりつつあるのかもしれません。環境問題や人権問題など今我々が抱えている多くの問題に経済が関係しています。そんな中我々は、自分たちの力で新たな未来を切り開いていかなければならないのではないか。と、考えたりします……

そんな中、昔の技術を改めて知りたいと思い、伝統的な方法を多く取り入れ現代的な建築を作る事を目指し活動しています。

例えば、新建材(高度経済成長期辺りから主に使われだした材料)をほとんど使わないで、昔の方法でやってみた。オーガニックな素材で作るので環境にも良く、材料費も安くなったり、何より作っていて楽しかった。良い事がいっぱいありました。それから伝統的な建築の材料や作り方について調べてみると大変面白いのです。

その土地で作り方や材料の違いがあったり、逸話や信仰が出てきたり、時には怪談と出会う事もありました。それでいて大変理にかなっていて長い年月をかけて培われた技術は本当に凄いと実感しました。

最近では「河童」についてリサーチし、建築に取り込む事を目指しています。昔の資料を調べていると凄く面白くて現代にも通用し取り入れるべき概念だと強く感じました。

河童は日本全国色々な考え方があり、神様や自然現象の事、河原者(河原に住まわされ労働力として酷使され差別された人達)、サンカ(山に住みその地で営みをもった民族達)、妖怪、カワウソ、などなど地域によって本当に様々な捉え方があって、昔の人たちは見えない存在であり隣人である河童にリスペクトを抱き共に生きていた事が伺えました。
この事を知った時に、環境問題や人権問題も見えない物事を扱うという所があるのでこれは河童と通ずる部分があるなと思いました。そこで、人の気持ちや我々の暮らす自然環境を仮に河童と捉えてみて、河童の気持ちになってみてはどうだろうか。自分本位にならないよう河童も喜ぶWin-Winの関係性が築けるような考え方ができると、環境と共存し、人の気持ちが分かる世界がイメージできるんじゃないかと考えたのです。このように目に見えない物事を河童と仮定しそれをコントロールするのではなくお互いが良い関係性を築けるようにリスペクトをもって接する事ができたらいい世界になるのではないでしょうか。

昔から存在する伝統や文化は現代においても充分刺さるメディアで、むしろ経済とは別の見えない不確かなものの事を想う思想は、経済が揺らいでいる現代においてとても大切な事ではないでしょうか。それらを絶やさないようにする為には、知り、現代で応用、転用し、先人が培った貴重な仕組みを引き継ぐ事が必要ではないかと思います。

和田寛司
建築家・怪談師 / 30代 / 男性

ANSWER. 04

時代やニーズを見ながら、新しいアイデアを取り入れる勇気と努力を怠らないことではないでしょうか。
多分、どんな分野にも言えることだと思います。

吉田亮人
写真家 / 40代 / 男性

ANSWER. 03

ワークショップやイベントの開催や参加。デジタル形式での記録や保存。地域や諸団体、地元住民と協力し保存・継承活動を行う。世代間交流での継承。クラウドファンディング等を活用した経済的支援。

まっさん
60代以上 / 男性

ANSWER. 02

伝統や文化に触れること、携わることを続けていくことだと思います。それを必要とする人がいなくなるから絶えてしまうのです。だから伝統や文化に関わり、携わることを続けていくことが必要だと考えます。具体的には伝統工芸品を作る人にならなくても、それを購入することで、伝統工芸品を作る人が良いものを作ろうとしてそれが続いていきます。伝統的な着物を着る人が増えれば、それを作る人が頑張って作り、着物の文化も続いていきます。茶道を続ければ、茶道に必要な日本の竹の道具や焼き物等も必要とされるので、作る人が仕事を続けます。そして伝統や文化は続いていきます。

くま

ANSWER. 01

それを絶やさないようにする人や国が守る法律が必要です。

K
40代 / 男性