安井 祐子

 「先生の高校の頃はどんなだった?」「先生のころはねえ……」授業中こんな会話が飛びかいます。多感な年ごろの生徒の、心の弾みや悩みを聞き、自分も経験した懐かしい思いがよみがえります。ささいなことで悩んでいたこと、ちょっとしたことが嬉しかった喜び、経験を重ねれば重ねるほど、人生は豊かに味わい深くなるものです。他人の経験や喜び、悲しみを疑似体験できるのが読書の喜びの一つです。

 主人公に感情移入することで経験したことのない興奮や喜びを体験したり、悲しんだり…。読書に限らず、映画や漫画でも同じことです。

 また、千年前に書かれた古典に、自分と同じ恋の悩みを見つけたりもします。こういう喜びを生徒の皆さんと共有していると、生徒の方からもおもしろい映画や本を教えてもらうこともあります。生徒と共に楽しめる授業ができる、それこそ私の大きな喜びです。