前川 祥子

 対象物を忠実に再現したものだけが良い美術作品とは限りません。美術は胸中にイメージした世界を形にする方法です。つたない表現だとしてもその人の心が見る人に伝われば、それは価値ある作品です。

 自分のイメージを上手く形に出来なくても、何より大切なことは美術を楽しむこと、作品に愛情を込めることだと思います。描く対象物が細い一本の枝だけだとしても、その枝は太い幹につながりしっかりと地に根を着けて生きています。そんなことをイメージしてみると、対象物の見え方が少し変わり、普段とは違った色が見えてきませんか?

 五感を通して感じてきた様々な体験は、感性となり自分の中に残ります。みなさんが持っている素晴らしい世界や豊かな感性を、美術を通して引き出すことが私の役目です。描くことや造ること、また芸術作品を見ることの楽しさを一緒に学びましょう。