前田 吉彦

  使命の一つとして日記を長らく付け続けている。継続がもれなく生む、形式作法・型に私が縛られている故、苦悩しながら文章を搾り出し日々を象る。書くというよりも私様式美に則り日記を描く様。私を包む世界の事象を取捨選択して反芻する思考を擬する言霊が毎日を彩るその制作、換言すれば、毎日世界を紙面に精製する私的作業。

 精製された産物は私にこの世界の私を俯瞰させる。うす味の世界観が堆積してゆく、苦い日記制作が美術のイメージと重なる。

 あなたにとって美術のイメージは?